Redash のアラート通知先を独自拡張する
この記事は Redash Advent Calendar 13日目の記事です。折返し地点ですね!
きっかけ
このツイートを見てやってみようと思いました。
Redashってプラグイン機構あるのかな…
— 睦月@インフラ技術…者? (@mutsuki99) 2018年12月12日
オリジナルの Destination 作ったのはいいんだけど、デプロイが Python ファイルのコピーってのがとてもいけてない感じがしている。環境変数のリスト見てる限りプラガブルな仕組みがある雰囲気なんだけどなぁ。
やりかた
コードをパッケージ化する
redash/destinations
に置いているコードを以下のような感じにパッケージ化します。
必ずしも GitHub や Git を使わなくてもよいのですが、今回は説明を省きたいのでこれで進めます。
この記事の本題にはたいして関係ありませんが、この Destination はアラートを JSONL 形式でログファイルに書き出す。というものにしてみました。
Redash の requirements.txt を変更する
アラート通知のパッケージを requirements.txt
に追加します。
-e git+https://github.com/ariarijp/redash-json-logger-destination.git#egg=redash-json-logger-destination-0.1.0
Redash の docker-compose.yml を変更する
検証には Docker を使用するので、docker-compose.yml
の server
と worker
の environment
に以下を追加します。
REDASH_ADDITIONAL_DESTINATIONS: "redash_json_logger_destination"
この REDASH_ADDITIONAL_DESTINATIONS
環境変数で、アラート通知先を追加することができます。
追加したいものが複数ある場合はカンマ区切りで設定できます。
ビルドする
requirements.txt
の変更を反映したイメージをビルドします。
これにはかなり時間がかかるので気長に待ちましょう。
$ docker-compose build
起動してみる
これで準備は完了です。起動してみましょう。
$ docker-compose run --rm server create_db $ docker-compose up -d
管理者ユーザーの追加などの設定は割愛します。
設定画面を見ると、アラートの通知先が追加されています。
まとめ
この手順は、去年書いたクエリランナーを追加するという記事とほとんど同じだったりします。
今朝、先のツイートを見るまでやってみようと思ったことがなかったのですが、結果として同じようにできたのでよかったです。
Redash v6 でクエリの読み込みが早くなる?
Redash Advent Calendar 12日目の記事です。
v6 のベータ版リリースに気になる一文が
先日 v6 のベータ版がリリースされました🎉
新データソースの対応、既存のデータソースの改善、今までは毎回クエリを発行していた Query Results データソースでキャッシュが使えるようになるなど、多くの変更が含まれていますが、そのなかで気になるものがありました。
Fast queries will now load faster.
気になりますね。私は気になりました。
調べてみる
ここ最近の変更を追いかけてみたところ、以下の PR を見つけました。
仕組みはかんたんで、Redash ではクエリを実行するとジョブが発行され、そのジョブをポーリングするのですが、最初の10回は0.5秒間隔、その後は3秒間隔でポーリングすることで、すぐ実行が完了するようなクエリであれば今までより画面に結果が現れるまでの時間が短くなる。というものでした。
まとめ
シンプルなクエリであったり、Query Results でキャッシュを使うケースにおいては体感がかなり変わってきそうですね。
ちょっとした変更ですが、副作用も少なくユーザーにはうれしい変更だなと思いました。
Redash 関連の OSS を GitHub 上のスター数上位5つ紹介する
Redash Advent Calendar 10日目の記事です。
Redash 関連の OSS を GitHub で検索し、スターの多い順上位5つを紹介します。
スター数は 2018/12/10 現在のものです。
ピックアップのルール
- オーガニゼーションが getredash のものは除外
- 明らかに Redash と関連がなさそう(同名の別プロダクトなど)なものは除外
- Docker, CentOS, k8s などでのセットアップスクリプトは除外
1位: kakakakakku/redash-hands-on スター数: 135
Redash Meetup のきっかけにもなった Redash のハンズオン資料です。
公式に次ぐスター数。Redash を導入検討する際にお世話になった方も多いのでは。
2位: hakobera/redashbot スター数: 53
話しかけると Redash のグラフを送ってくれる Slack Bot。
以下の記事も合わせて、Redash ユーザー内では有名になった気がします。
最終更新が2017年4月と少し時間が空いていますが、フォーク数も17と多く、各社で手を加えて利用されているのかもしれません。
3位: toritori0318/redash-dynamic-query スター数: 24
Python で動的なクエリを実行するためのモジュール。
個人的には Redash 運用と共に歩んできたツールのひとつで、いまでも元気にこのモジュールを使ったツールがいくつも弊社の業務を支えています。
4位: mozilla/redash_client スター数: 15
Mozilla でも Redash を STMO という内部のツールで使っているようです。
toritori0318/redash-dynamic-query とは異なり、クエリの検索やダッシュボードの作成など、いくつかの API に対応していますが、すべての API を網羅しているわけではありません。
余談ですが、メインの開発者である Marina Samuel さんは、最近 Redash の開発チームに参加されています。
5位: dwyl/learn-redash スター数: 11
Redash を学習するための資料です。内容はシンプルで、マニュアル+αのような内容です。
最終更新が 2018年1月 なので、おそらく v3 ベースの資料だと思います。
まとめ
ここに紹介したもの以外も、Redash 関連の OSS はいろいろ公開されています。
調べてみて気づいたのですが、今回はランクから除外したセットアップスクリプトなども含めると、スター数上位の多くが日本人ユーザーによって公開されているものでした。
この記事も含め、ささやかながら国内のユーザー向けに情報発信をしている身として、Redash ユーザーを増やしたり、ユーザー同士の知見が集まる場を作っていくことによって、これらの活動を支えていけたらいいかなと思います。
Redash のクエリ名を空にしてしまうと困るから直した
Redash Advent Calendar 8日目の記事です。
昨日の記事の続きです。
直した
直せてよかったです。
英語は誰かに直してほしいです。
考察
この問題はおそらく Angular から React への移行のなかで入り込んでしまったものだと思います。
クエリ編集をするための EditInPlace コンポーネントは master
ブランチでは React コンポーネントですが、v5.0.2
タグでは以下のように Angular のコンポーネントになっていたのが怪しいなと思って眺めてみたところ、問題を見つけられたので今回の修正・PR につながりました。
redash/edit-in-place.js at v5.0.2 · getredash/redash · GitHub
Redash は積極的に React への移行を進めていて、v6 のリリースノートにもその記載があります。
Release v6.0.0-beta · getredash/redash · GitHub
v6 リリース前にいろいろバグは潰されると思いますが、他にも React 移行でバグがでてくるかもしれませんね。
明日の告知
明日は anntoque さんによる「Redashから参照してるPrestoのカタログクリーニングの話」です!
Redash のクエリ名を空にしてしまうと困る
Redash Advent Calendar 7日目の記事です。
困る
Redash のデモサイトで確認しました。
再現手順
クエリを一度保存し、その後クエリ名を空にします。
空にしてクエリ名を保存してしまうと。その後クエリ名が変えられません(正確にはクエリ名をクリックできないので、テキストボックスが表示できません)
これは困りますね。デモサイトは 6.0.0-beta+b8065 なのですが、業務で使用している 5.0.2+b5486 では再現しなかったことが少し気になります。
幸いにも Redash は OSS なので、自分で直すこともできるはずです。
明日の予告
ということで、明日の記事ではこれを直してみるというのをやってみます。
直せなかったら、しれっと別のことを書くかもしれません。